私の一番の男友達は、木で作るおもちゃの工房で職人見習いとして働いていて、世の中に慣れてなくて、人を信頼するまでに何年も何年も時間がかかって(私は出会って4年目にやっと信頼されたらしい)、協調性もあんまり無くて、頭がいいせいか理屈っぽく考えがちで、ものすごくたくさんのコンプレックスを抱えてて、人を見かけで判断しない真っ直ぐな目を持ってて、服のセンスがなくて(冬に会ったときは全身チェック柄だらけだった)、よく考えて言葉を口にする、つまりとてもいいやつ。頑固だけど。
ホワイトデーを少し過ぎたころ、その男友達から小包みが届いた。
中には、かさかさした紙で丁寧に包まれた本2冊と、小さく折りたたまれた短い手紙。知り合って丸7年が過ぎたけど、プレゼントや手紙なんて初めてもらった。地震の直後で停電とかもあってきっと大変だったのに、わざわざ吉祥寺の古本屋まで行って選んでくれたらしい(吉祥寺ってよく分からんけどシャレオツな街よねきっと!)

仕事の疲れが全部ふっとんじゃうくらい、嬉しかった。
勿体なくてまだ読み始めてないけど、パラパラめくってみたら、およそ彼らしくない本で笑ってしまった。「中身は読まずに選んだ」って言ってたから、こんな本だって知ったらきっと恥ずかしくなるんじゃないかな。
本なら、一生一緒にいられる。どこに住んでも、持っていられる。そんでそういう本がある限り、私は頑張れる気がする。