前の日記で書いた親友と、連休中に久しぶりに会った。
今の工房を辞めることになったらしい。経営不振で、雇う余裕がなくなったんだって。給与も去年の12月分がまだもらえてない状況で、ここ数か月は職人とは全然関係のない本屋のピッキングのバイトをしてた、って聞かされて、何よりもまず、腹が立った。
いつだってそうだ。それは突然やってきて、細々と地味に積み重ねてきたものを簡単に崩してしまう。一生に一度も経験しない人だってきっといるのに、1人のところに何回も押し寄せたりする。あの、悪いほうの「流れ」だ、と思った。
おもちゃ作りの職人っていうのは、彼が何年もかけてやっと見つけ出した世界で、私はその年月を彼の近くで過ごしたからか、本当に自分のことみたいに悔しい。
普通の私立大学に通う私たちが就活をして一般企業に向けて進んでたとき、彼は1人立ち止まって、考え続けてた。私はそれすら出来なかった。いきなりやってきた岐路が怖くて憂鬱で仕方なくて、見よう見まねで説明会やセミナーに行って、それ以外の道を模索する勇気すらなかった(こんなヘタレだから最終的に内定取り消しに遭ったりしたんだと思う)。
どうか好転しますように。きっと彼は諦めずに今の世界になんとかしてしがみつこうとするだろうし、不透明な先行きよりも、手放す恐怖のほうが勝ってるんだと思うから。そういう人が、ちゃんと生きていける隙間がある世の中であってほしい。