「浮世でランチ」山崎ナオコーラ

今は、周りの人を大切にする時期ということにしよう。次から次へと恋をすると、恋人に頼らず、たくさんの人に少しずつ支えられながらでも生きられるという感覚を学ぶのが、難しいので。

どこにも理想郷はないし、理想の友達もいない。
会社は辞められるけど、この世界から出て行くことはできない。腑に落ちないことだらけの世の中でも、ここでメシを食わねばならない。ばかばかしい女性扱いを受けると、吐き気がする。でも、私は人とコミュニケーションを取って、人を好きになっていくのだろう。悩みながら、自分の考えを伝えるのだろう。