「この人おもしろいな」と思うと、あんまりオブラートに包まずに、単刀直入に色んなことを聞いたり話したりしてしまう(もちろん相手を傷付けるようなことには触れないように気を付けてるし、最低限の礼儀は守ってるけど)。
いちいち遠回しな言い方をするのが本当に面倒くさくて、苦手になった。数年前までは、得意中の得意だったんだけど。
知りたい、見たい、したい、食べたい、行きたい、触れたい、そういう感情をちゃんと見つめて、衝動が向かう方向に進んでいこうと思った3年前から、周りの人とまっすぐ向き合いたいっていう気持ちも強くなった。人数は少なくてもいいから、本当に大切な人たちだけは全力で大切にして、変に回りくどいことは言わずに、素で付き合おうと思った。
恋人やハチは、そういう私を時々諌める。もっと言い方があるやろって言う(かといって、自分に対してオブラートに包んでほしいというわけではないらしい。乙女だなぁ…)
でも私さ、もうややこしいのは嫌なんだよー。オブラートになんか全然包みたくないんだよ。
そういう私を受け入れてほしいって傲慢に思ってるわけじゃなくて、オブラートに包まなきゃいけない関係に、ただただ嫌気がさしたんだな。きっと。

それでも、そんな風に考えられるのは私の周りの人たちがみんな優しいからだってことは、知ってる。全部捨てて、色んなことを諦めたつもりでいたけど、実際は色んなことに醜く執着したままで、たまにそれに気付いて唖然とする。



入社当時からずっと一緒に頑張ってきた同期が、年明けから異動になった。毎日当たり前に過ごしてた帰りの電車とか、自転車で並んで走る帰り道が、一気にグルグル動いて、全然違う風景になる。そうなってからじゃないと、私には大切さが気付けなかった。
恵まれた環境にだけすぐ慣れて、ありがたみを忘れる自分が情けない。
3年前、内定を取り消されたり、急遽今の会社に就職が決まったりして、カラッカラの心で過ごしてたあの時期にも、ちゃんと降り積もるものはあったのにね。