人のセックスを笑うな (河出文庫)

人のセックスを笑うな (河出文庫)

まっすぐだなぁ。ガシッと掴まれて、一気に読み切ってしまった。
失恋したときの気持ちを思い出すと、今でも哀しくなる。「あの子の描く未来に私は存在しないんだ」「どうしたって駄目で、自分の努力じゃどうにもならないんだ」っていう消えない感触と、必要とされてないって実感してしまったときの空虚な気持ちは、今がどれだけ幸せでも、関係なく心の底に残ってる。
もうあんなのは二度と嫌だなぁ。でも生きてたらきっとまた、そういうこともあるんだろうなぁ。
私には、目の前の物事を抱きしめることしかできない。それが死んで動かなくなるまで、力いっぱい抱きしめることしかできない。さらさらと流れ落ちていくのを指先に感じながら、もうやめてって思う。いつでも。