奈良の男の子と付き合うことになった。
明け方、完全に予想外の状況の中、大きな手で軽々と抱き寄せられながら、それが嫌じゃないことが何よりも驚きだった。
チェックアウトの前に、廊下の窓の外に広がる初夏の山を見てたら、何か壮大なものに守られてる気がして。不意に、一緒にいてみようか、と思った。
彼みたいないい人を傷つけたくないなぁっていうのが自分の中にずっとあって、今の私に自分以外の人を大事にすることができるのか分からなくて、正直すごく怖い。もう少し友達という関係を愛でていたかったことも事実。
でも仕方がない。来てしまったんだから。腹をくくれ自分。
楽しいことをいっぱいしよう。明るい場所にもいっぱい行こう。目の前で起こることをしっかり見て、自分の身体や心の声をちゃんと聞いて、向き合ってみよう。