天秤には掛けない


1人の他人と長く向き合い続けることの面倒くささとか、そこから始まる何かとか、家族との関係にも似た愛着とか、そういうことのいちいちを自分の中に知識として集めている感じ。
長い片想いはしたことがあるけど、両想いは(情けないことに)長く続けられたことがないから、最初の熱を失った愛情がどういう形で変化していくかなんて、今までは考えたことがなかった。

結局は、私は私のことだけを必死でやっていくしかない。20代半ばまで全く違う生活を送ってきた、別の人間なんだし。お互いにいい年した大人なんだから、今の生活も状況も、ある程度は自分で選んだり方向転換をする努力は出来たはずで、そうしなかったことを悔やむのも、そうできなかったことに言い訳するのも、もういい加減よしたほうがいい。
恋人は少し変わった人生を歩んできた人だ。私は今でもその経歴とか、そういう風に歩んできてしまった彼の弱さに心底呆れてるし、甘ったれてんじゃねーよ、お前がダラダラしてる時に私は必死で受験勉強したり就活で泣いたりしてたんだよ、と思う。
けど同時に、私には無い穏やかさとか、「嫌いな人とかそんなおらんなぁ」と言う能天気なところを、心底尊敬もしてる。

いつのまにか付き合って丸3年が過ぎていて、今年は4度目の夏になる。触れたらやっぱり落ち着くし、たまに全部が嫌になったりもする。