流れは止まらない、音は鳴りやまない。

喧嘩とか揉め事とかが嫌で、そういう場面に直撃しないで済むように、いつだってヘラヘラ笑って凌いできた。
友達同士ならそれでもいいかもしれない。でも相手は恋人で、1対1の関係で、私たちは2人ともいい年で、そのうち結婚とか出産とか将来とかそういう具体的なことも絡んでくるのに、張本人である私がそんな態度ではいけなかったと思う。
真っ直ぐ見つめたら怖いことがたくさんある。それはずっと分かってた。分かってたから見ないようにしてた。能天気なくせに自分のことだけは傷つかないように守ってきた私も悪い。


そんなわけで、珍しく恋人に対して自分の考えとか不満を正直にぶつけて、少し怒ったりもして、踏み込んでみた(ほかにも色んなことが重なってて、どっちみち一度話し合わないと駄目だった)。
言うからには徹底的に言ってやろうじゃないの!という、我ながら男らしい性格だから、「私は今は結婚願望はないけど、29歳くらいで結婚して30歳くらいで子どもがほしいとは思ってる」「でもあくまでもこれは私の希望だから、そういうのが嫌なら、それはそれで別にいい」「嫌なら早めに言って。私は私でどうするか考えたいから」などなど、ズバズバ言い切ってきた。
恋人は「分かりました」と言っていた。

本当は、結婚なんて気にせず楽しく過ごしたい。結婚できない=じゃあ別れる、なんて考え方もおかしいと思うし、反吐が出るくらい嫌い。昔の恋愛みたいに、「もーメールの返事遅いよー」とか、そういうことで可愛く悩んでたい。

でもやっぱり、子どもはほしいから、タイムリミットができてしまう。もし子どものことがなかったら、ずっとこのままでもいいよ、私は。

いつのまにこんな場所まで来ちゃったのかな。なんだか切ないわ。