おしまい。

1つ下の後輩の人数が少ないから幹部を留任して、普通より1年も遅くなったけど、今日で完全に引退した。
本番中は自分の持ち場でものすごく緊張してたし、とにかく照明進行のことで頭がいっぱいで、直属の後輩の出番のときに少し涙ぐんだだけだったけど、本番が終わった直後に同期の顔を見たら一気に気が抜けて、本格的に涙が出た。
あの部活に入らなければきっと人生が変わってたと思うし、自分のこともよく分からないままだった。色んな人が色んなことを教えてくれた。自分が人のために泣ける人間だと知って驚いたりもした。恋もした。笑ったり怒ったり泣いたり、いつも騒々しくて、本当に楽しかった。もちろん辛いことも数え切れないくらいあったんだけど、それすらも笑い話に変えてしまえる人たちに囲まれて、幸せだった。
捨てたものもいっぱいある。でも捨てたことで守ったものも同じくらいある。今そういう風に思えることが嬉しい。本番中に私たちを心配そうに見てた先輩たちとか、見慣れた同期の顔とか、後輩からきたメールを見ててそう思った。