一番最初の部室を思い出した。
ボロボロの部室棟の5階にあって、息切れしながら階段を上らなきゃいけなくて、ものすごく古くて汚くて、夏は死ぬほど暑くて、誰のものなのか分からないジュースの缶やペットボトルがそこらじゅうに放置してあって、扉の鍵はぶっ壊れて施錠の意味は全くなく、かと言って盗難が起こることもなく、破れたソファーに座るとスカートが汚れ、椅子に座ると木のトゲでストッキングが破れる。そんな劣悪な環境なのに毎日随分長い時間を過ごした。
今はもう取り壊されて冷暖房完備の快適な部室になったけど、私はあの最初の部室が一番好き。汗をかきながらスペイン語の予習をしたり、提出時間が迫ったレポートを必死で執筆する同回をからかったりしてたのを今でも思い出す。
随分遠いところまで来てしまったけど、きっと一生忘れないと思う。時間が経てば経つほど美化されて輝きを増すんだと思う。それってなかなか悪くないことだ。
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